少子化の正体

「80・2.0の壁」とは?

2020-01-01から1年間の記事一覧

北里柴三郎の功績と悲運

今回の新型コロナ感染制御策のひとつとして、世界各国は出入国制限をしました。日本も同じで静かな鎖国でした。江戸時代の本物の鎖国は、感染制御の手段としては大きな効果を持ちました。たとえばコレラは、江戸期にも長崎から入り込みましたが、やはり大流…

石炭から吹き出るフェノールと亜硫酸ガス

家庭用の燃料として使用が始まった石炭は、まずレンガやガラスの大量生産を可能にしました。不純物が製品に混入しても決定的な問題ではなかったからです。安価になりますから、大火後のロンドンの街並みを木造からレンガビルへと一変させました。そのほか塩…

石炭による消毒効果

中世の黒死病の流行のピークは14世紀半ばから後半にかけての半世紀ですが、流行そのものは5世紀間も続きました。流行が14世紀末に一応のピークになった理由は、大量に死亡したからでしょう。少なくてもヨーロッパ人口の1/3の犠牲者を出し、消滅した…

生きた化石「ペスト」

ペストは古代エジプトのミイラにも感染の痕跡があるといわれています。また今日ではみかけませんが漢字では、ヤマイダレに鼠と書くそうで、中国では古くから鼠由来の病気であることも知られていたようです。つまり人類史に記され続けてきたのです。エジプト…

森の崩壊が起こした自然災害

デイダラボッチの死に象徴される森の崩壊とともに、黒い粘調なもうひとつのドロドロがタタラ場に流れ込みます。そして崩壊した建物が溶鉱炉に接したのでしょう、大屋根が火災を起こしました。 この黒いドロドロは土石流でしょう。雨も降っていないのに土石流…

アシタカはなぜ、助かったのか

「やがて骨に至り命を奪うだろう。」と、ヒイ様が予言したアシタカの右腕の赤黒いアザは最終的に薄くなり、呪いが治まったことを示しました。それはあたかもデイダラボッチの首を返したことによるシシ神からのご利益のようにも見えますが、そうではありませ…

森から噴き出たバイオ・ハザード

首を飛ばされたデイダラボッチの体内から流れ出たドロドロした液体に触れた者はすぐ死に、コダマたちも次つぎに木から落下して息絶えた様子でした。まるでシシ神がタタリ神になり、人間どもを呪っているか、あるいは森全体の滅びの呪文を唱えたかのようにも…

動物の個体数を調整するメカニズム

食物連鎖 シシ神の森の動物たちは、山犬・イノシシ・シカ・ネズミです。姿を見せるのはこれだけですが、ほかにもウサギ・リス・コウモリなど多種が生息しているでしょう。 しかも森が侵食されなければ、これらの動物の個体数は一定で、生態系のバランスをと…

シシ神の「寄せ集め」を可能にする水平伝播と細胞親和性

「水平遺伝」 哺乳類はまず両親からのブレンドされた遺伝子を受け継ぎます。これが通常の遺伝で、垂直方向の伝達です。シシ神にはそれがないとしますと、垂直方向以外からの伝達が行われたと考えるしかありません。これがいうなれば水平遺伝で、生物学的に正…

「寄せ集め」でできたシシ神の姿

夜の姿のデイダラボッチは確かに森を司る神のイメージです。それに引き換え昼の姿は、なにか奇妙です。もっとも神々の偶像は、現代でもいたるところにあるのですが、実際の神を見た者はいません。偶像は神の姿として先祖たちから延々と受け継がれた固定概念…

人間と野生動物はなぜ接近したのか

シシ神の森の崩壊から、いわば550年あまりが過ぎて発生した新たな「呪い」すなわち新型コロナウイルス感染症は地球全体に蔓延しました。アシタカが感染したナゴウイルスの解明と同じ要領で、この新型ウイルスについてマクロとミクロの視点から迫ってみま…

「東洋のペスト」を掘り起こした遠因はパクス・ブリタニカ

「東洋のペスト」を掘り起こした遠因はパクス・ブリタニカ 今回の新型コロナ感染症は、中国武漢での症例報告からわずか2ヶ月ほどで全世界に広がりました。原因はグローバル化によって人々の往来が活発になっていたからとされています。グローバリゼーション…

ペスト流行の温床は天災・飢餓そして戦争

この章では、いわゆる黒死病すなわち中世のペストの流行をなぞることで、「もののけ姫」の時代から今日の「コロナの時代」までをひとつなぎにしてみたいと思います。ペストの流行によって突然に平穏な暮らしが壊されたという印象もあるでしょうが、けっして…

シシ神はエボシの守護神だった

日が沈み今にもデイダラボッチに変身しようとするシシ神の首を、エボシが石火矢で狙おうとした瞬間に、石火矢に草や木の芽が吹き出すように生えてきました。まるで長い年月、森に放置され風化したかのような状態に一瞬で変わったのでした。シシ神がそれほど…

シシ神殺しの黒幕は唐傘連?

唐傘連とは何者か。素性は明らかにされていませんから、またトンデモ説を展開するしかありません。まず言えることは、師匠連を、石火矢を持つ機動部隊としますと、唐傘連はおそらく科学部隊だということです。 根拠となるキーワードは「不老不死の力」それか…

エボシとジコ坊の素性

エボシ御前のプロフィール? タタラ集団を率いるエボシは、この物語の重要人物です。しかしその素性についてはまったく触れられていません。仕方がありませんから、ここで「トンデモ説」を展開してみましょう。結論からいいますと、彼女は日本から明国へ朝貢…

娘たちは、なぜ・だれに売られていたのか

エボシは売られた娘たちを買い戻しては、タタラ場に連れて来たと、アシタカにだれかが語ります。トキもおそらくはそのうちの1人でしょう。では娘たちは、なぜ売られたのでしょう。また買ったのはだれなのでしょうか。それはこの物語では明らかにされていま…

日本史に絡み付いた「天然痘」

当時の京では、災害や飢饉があるたびに疫病が蔓延しました。その代表的なものが天然痘です。この感染症は、人類史に大きな影響を与えてきました。日本も例外ではなかったのです。室町時代には痘瘡、平安期には疱瘡といわれていたようです。正体は、1980…

アシタカやエボシたちが生きた「無政府」時代

この章では、「もののけ姫」の時代背景から、キャラクターたちのプロフィールを浮かび上がらせて、彼らにとってのタタラ場とは、どのような場所だったのか、考えてみたいと思います。 通貨はなかった まず里に下りてきたアシタカは、街道が交差するあたりの…

なぜヒイ様は、イノシシを丁重に塚に葬り、アシタカを見送らなかったのか。

ヒイ様はタタリ神となった巨大イノシシのナゴの守を弔い、塚を築きました。それはすべての生き物の御霊を神のもとへ届ける縄文人の末裔でもあるエミシの慣習によるものだったのかも知れません。 しかしこの行為は、巨大イノシシがナゴウイルスに感染していた…

アシタカが右腕に負った「死の呪い」の正体

スタジオジブリ製作の映画「もののけ姫」は、時は室町時代末期ごろに日本の東北部にある先住民族エミシの里で平穏に暮らす少年アシタカの前に、荒れ狂う巨大なイノシシが現れるところから始まります。「ナゴの守」という通称を持つことからして、この特別な…

はじめに

なぜ「もののけ姫」なのか 新型コロナ感染症のパンデミックによって「新しい生活」が推奨されています。しかしながら、その希望に満ちた言葉の響きとは裏腹に、現実は「日帰り刑務所の囚人」としての暮らしです。帰宅しますと、かつては他人の侵入を防ぐため…